「大人の恋」という言葉を、あちらこちらでよく見聞きしますよね。

せつなさの入りまじった、とびきりすてきな恋……そんなあこがれをつい感じるフレーズです。

そこには、どこか抑制の働いた、すべてを満たそうとは望まない、小さな痛みの気配がします。

胸の痛みをぐっとこらえてほほえむのが大人のいい女……女性は、なぜかこう感じる本能があります。

(本能っておおげさでは?)

と、思うかもしれないのですが、出産を前提に作られている女性の心とからだは、本能である性のOSに、潜在的な「痛みがまんソフト」が組み込まれています。

母性、と言えばわかりやすいでしょうか。

実は、ちょっぴり苦しみのともなう「大人の恋」にあこがれを抱くのは、100パーセントと言っていいくらい、女性なのです。

男性はこの言葉にピンとこないし、想像したこともない人がほとんどでしょう。

充分に大人と呼べる年齢になっていて、女性に恋をしていたとしても、それが熱烈であればあるほど「少年の恋」。

むしろ、年齢がいくほど、恋愛では「少年」に逆行していきます。

若いうちのほうが、好きな女性に対してクールな大人のふるまいをしようと抑制的ですが、あなたのように実際の恋愛で「痛みをじっとこらえる」力はありません。

すぐに折れてしまいますし、そうなる前に離れていきます。

これも、裏と表、陰陽の性質をもつ男女の大きなちがいです。

陽は現実世界、社会活動の意味でもあり、男性たちは仕事やクリエイティブ活動では、持ち前のがまん強さを発揮します。ストイックで、痛みにも強いところがあります。

ここで、

(自分は大人でちゃんとした社会の一員だ)

と、自分で認められるまで、ひたむきな努力を続けます。

その裏側、陰である性世界では、がまんすることが苦手で、もろいのです。日常とは正反対に、痛みを味わうべき世界ではないのですね。

女性は陰ですから、現実では、がまんよりも楽しさを追い求めます。

一方、性の世界では、つらさを味わってもふしぎじゃないと受け入れる母性が働きます。

いざそうなっても逃げだそうとはこれっぽっちも考えず、ひたすら耐えようとしてしまうのです。

母性とは、元々は出産用の「痛みがまんソフト」です。

苦しみに耐えることに美しさを感じさせたり、逆に、性には苦痛が伴うという潜在的恐怖を女性に与えるものでもあります。

たしかに、激しい痛みを乗りこえる出産には、美しい感動がともなうもの。

お母さんとして、無心に子どもを育てる女性の姿は、だれが見てもすてきですよね。

でも、お産でもないのに母性を発揮して、あなたが何かをがまんする理由はどこにもありません。

性が生殖システムであるために、恋や恋愛関係、セックスといった一連の性世界に「痛みがまんソフト」が稼働してしまうのですが、そんなことを男性はつゆとも知りません。

自分と同じように、ふたりの時にはなんのムリもせず、楽しみやよろこび、快楽に突き進んでいると思っています。

抑制を効かせた「大人の恋」は、ドラマの中だけのお楽しみにして、あなた自身は、心とからだをのびのびと開放したしあわせな性を、これから手にいれませんか。

(いいえ、もっと大人にならなくちゃいけないの)

(ムリ。あきらめてる)

(母親のくせに性なんて)

こんな声なきメッセージが、心の奥底から聞こえてくるでしょうか。

この声、いったいだれの声なのでしょう。

あなたのほがらかな笑顔や、むじゃきにはしゃぐ少女のようなよろこびに、水をさす人はだれですか?

あなたの内なる苦しみや孤独をよろこぶ人など、この世にだれひとりとしていないはずなのに。

わたしもそうでしたが、性的被害を受けたということでもなく、言われのない性的劣等感や嫌悪感、孤独感を抱く大きな要因は、自分の母性との葛藤です。

やさしさを当然と思われたり、よろこんでもらえると思った努力があっさりスルーだったり。

逆にどんどん要求されて、必死に応えているうちに、身も心もボロぞうきんのようにくたびれてしまったり。

しあわせそうな恋やセックスをしている他の女性たちがまぶしくて、こんなに傷つくばかりなら、人生なんかさっさと終わってほしい。

わたしも、いつもそう思っていたのです。

幼い頃から「痛みがまんソフト」はフル稼働で、親に甘えることもできませんでした。

そのくせ、母性の強さを自覚していたので、男性的に生きる覚悟もつかず、女の落ちこぼれだと自分を責めながら、心が引き裂かれるようになって苦しみつづけました。

母性には、取扱説明書がありません。

人にやさしくすること、思いやることとよく似ているので、女性にとっては実はとてもやっかいなのです。

現実にお産を経験すると、子どものため以外に使わなくてもよかったことが、よくわかりました。

それまで、もっと自分のために生きて、自分を甘やかし、素直にわがままになってもよかったのです。

人には、ふつうに人としての思いやりやマナー、共感をもっていれば充分愛されます。

あなたももし、

「愛したい」

「愛されたい」

この心の葛藤を止めることができないで、だれにも相談できずに苦しいのなら。

あるいは、いつもだれかのためにがんばっていて、満たされているつもりでいても、孤独を感じるのなら。

「痛みがまんソフト」が稼働しています。

お産以外では使わなくていいのです。

いますぐパチンと切ってくださいね。

まず、母性の気配をあなたの心の中から消し去ってみましょう。

すると、小さく見えてくるものがあると思います。

そう、「もっと愛されたい」と泣いている、少女のあなたです。

 

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