性と愛のサイト/水野スミレ

3.心と身体をつなぐ「性楽」

人の性的結びつきによって生まれる悦びや感動を、“性楽”と言います。

わいせつないやらしさのない、きれいな言葉ですね。

こうしたきれいな言葉が、セックスの世界には足りなすぎるのも、女性たちが性を抑圧してしまう大きな原因のひとつです。

それはそうですよね。

「まんこ」「あそこ」「汁」「穴」…。

自分の身体が、こんな侮蔑的な言葉でしか呼ばれないなんて。

この「言葉」の問題は、日本だけではなく、世界のフェミニストたちが真剣に考えている案件でもあります。

私もまた別の機会で、詳しく取り上げていきたいと思っています。

さて、性楽を味わうことは、生きる悦びを実感することです。

それを求める気持ちは、少しも恥ずべきものではありません。

ですが、過剰に否定しつづけて、心身のバランスを崩してしまった女性はとても多く、そういう方が、わらをもつかむ思いで、東洋医学家・G先生の元にやってくるのです。

A子さんもそのひとりです。

(A子さんのオーガズムストーリー前編、未読の方はこちら)⇒ 3.セックスレスの果てに

A子さんは、その後、東洋医学家・S先生の手によりオーガズムを得ることになるのですが、S先生本人にも話を聞きました。

多くの男性にとって、「女性の心に寄り添う」ことはごく難しいのではないかと思いますが、

こういうことなんだ、と知る手がかりにもなるでしょう。

 

オーガズムの権威・S先生の声


私は長年、多くの女性たちの深い孤独感と向き合ってきています。

そういう意味では、A子さんは、典型的な性的患者さんの1人でした。

電話カウンセリングの冷静を装った声からも、押し殺した寂しさと悲しみがひしひしと伝わってきました。

見ず知らずの私を頼るには、よほどの勇気が要ったことでしょう。

実際にお会いすると、丁寧にお化粧をした顔は怯えきっていて、ひどく痛々しい印象でした。

こうした患者さんが一、二もなく求めているのは、カウンセリングでも性感開発でもオーガスムでもありません。

ただの人肌のぬくもりです。

もちろん、ご本人はそれに気づいていませんし、東洋医学的治療のできる私なら、だれにも言えない性の悩みを“打ち明けてもいい”相手なのではないか。

単にそう思って来られるわけです。

A子さんも、話だけ聞いてくれればいいということで治療の予約をしていました。

何度かキャンセルをしては、また予約を入れて、やっとお越しになれた当日は、二時間かけて、ポソリポソリと苦しみを打ち明けつづけました。

ある程度心のうちを吐露してしまうと、みなさん「だいぶ楽になった」とおっしゃいます。

カウンセリングは欠かすことのできない治療プロセスですが、じつはそれだけだと、「では」と別れたあとで、たちまち元の苦しみがよみがえってきます。

孤独感で心が弱っている人というのは、砂漠でひとり泣きつづけている赤ちゃんのような状態です

言葉よりなによりも、抱きあげて包みこんであげることがいちばんの救いです。

性欲が自覚できている女性でも、これからセックスをしようという時は、ほぼそれに近い状態にあると言えます。

この点は、男女双方が再認識したほうがいいでしょう。

女性とは、とても寂しがりやで甘えん坊なのです。

とくに、お相手の年齢や外見、経験値で男性側が先入観を持ってしまうと、必ずといっていいほどズレが生じますので注意が必要です。

たとえ全裸になったからといって、女性はそう簡単には素になれませんし、心を覆い隠しているベールを一枚一枚はがしていかなければ、身体に眠る豊かな性感を呼び覚ますこともできません。

男性にとっては非常に困ったことですが、いつわりの姿のままでセックスをしつづけられる、もしくは拒みつづけられるのが女性です。

それは、したくてそうしているのではなく、女性自身も自分に対する先入観を持ってしまっているので、正しようがありません。救いとなるのは、男性側の心くばりのみ。

とりわけ、A子さんのようにネガティブなセックス観を植えつけられてしまった女性であれば、性的行為に対する恐怖感や罪悪感を持っていますから、それを取り除く必要もあります。

具体的にどうすればいいのかというと、まずはだまって肌と肌を触れあわせることです。

ベッドで抱きあったまま、ただまどろんでもいいし、男性が女性の背中を抱くような姿勢で座っていてもいい。前戯に入るより先に、男性の肌で女性の心をあたためましょうということですね。

ですが、実際にこれができる男性は、ほとんどいないのが現実です。

セックス=性器結合という頭しかないのですから、本当に女性たちはかわいそうだと思います。

私が実際に患者に使い、女性との性楽を求める男性にもお勧めしているのは、以下の方法です。通常施術は着衣でしますが、私もこの時は上半身を脱いで行います。

まず、男性があぐらをかいて、その上に女性をまたがらせます。向かい合わせに抱きあう形で上体をぴったりと密着させ、両腕を背中に回して、しばらくじっと抱きしめます。

おたがいの顔は反対方向を向いていますが、頬と頬はつけます。

少なくとも十分間はそのままだまってだきくるんでいると、やがて、女性の全身から力が抜けていく様子が手に取るようにわかります。

人肌のぬくもりに、安らぎを感じ始めたサインです。

泣きやんだ赤ちゃんのように、「すべてが受け容れられている」と、身体が感じた瞬間です。

そのあと、そのままの状態で、髪や背中を撫でながらなにか語りかけると、いっそう患者女性の心がほぐれていきます。

夫婦や恋人なら愛の言葉でもいいし、ねぎらいの言葉でもいい。

初めてのお相手やセックスフレンドならば、「かわいい」などの褒め言葉を男性がかけるか、子どもの頃の話をしあう。

すると、女性のほうから、それまでどうしても言えなかった心の奥底を吐き出すことができるのです。

たったこれだけのことを男性がしないばかりに、現代の女性たちは、心の孤独を余儀なくされているわけです。

A子さんにも、かなり長い時間をこの方法にあてました。

「かわいそうに」「寂しかっただろう」「よくがんばってきたね」と言いつづけました。実際、彼女は本当にそうでしたから。

自己否定が習慣化していたA子さんは、「いえ、そんな」といちいち打ち消していましたが、やがてその声がうわずって、涙が頬に伝ったかと思うと、子どものようにしゃくりあげて泣きだしました。

そして、思いきり声をあげて泣いたあと、「このまま女を終わりにしたくない」と、自分自身でさえわからなくなっていた本当の気持ちを見せてくれたのです。

私の治療は、患者さんである女性を安心させることから始まります。

性楽の極まった瞬間がオーガスムであることは事実ですが、女性が味わうオーガスムは決して一定ではなく、その時その時で深みや大きさ、長さは様変わりしています。

女性が深遠なオーガスムに至るもっとも大きな要因は、安心感となごみです。

本当にいいセックスにテクニックは必要ない、というのが私の長年の持論ですが、これをテクニックと言うなら、どうすれば女性を安心させられるのかというテクニックにこそ、男性は目を向けるべきでしょう。

肩や腕などに、男性のあたたかい手がじっと置かれているだけでも女性はなごみ、リラックスしていくもの。

あとは思いやりです。

非常に基本的なことなんですが、セックスは人と人がするものです。

相手は機械でもなければ人形でもありません。

別の人格を持ち、別の人生を歩んでいる生命ある人が裸で目の前にいる。

その状況の稀さ、尊さがきちんと理解できていれば、めぐり合いに感動が生まれて、あわてず焦らず、もっとじっくりとぬくもりをたしかめようという気になるものです。

大切なことをすっ飛ばしたままで快感だけを得ようとしても、女性の身体は本当には応えてくれないし、おたがいが心から満足することはありません。

真の性楽を知るには、もちろんお相手との関係性もあるし、長い月日や多くの回数がかかって当然です。

ですが、それを目指していくプロセスもまた、生きている実感を積み重ねていく、価値ある楽しいものであるはず。

この大切なことを世の中の人が理解するには、まだまだ時間がかかりそうだというのが、私の正直な見解ですね。

性に対する価値観が低すぎるからです。

残念なことです。

 

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