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オキシトシンオーガズムを初めて体験した女性は、迷うことなく、これが女の悦びなんだと確信できて、生き方、感性、日々の暮らしも晴れやかに変わっていきます。
これは、母性ホルモンと言われるオキシトシンの威力ですが、出産、授乳と同じくらいの革命的パワーが、セックスにもあります。
そういう意味では、女性にとっての性は、子どもを産む産まないに関わらず、やはり生殖本能と切り離せません。
「男が数多くの女性とセックスしたがるのは、あちこちに子孫を残そうとする本能だ」という説よりも、はるかに正当な理論です。
情報として表に出てこないだけですね。
ですから、あなたはまず、女性に生まれたことに安心感と自信、希望を持ってくださいね。
その前向きな想いが胸の奥にあれば、誠実ですてきなパートナーを引き寄せてくれるでしょう。
あとは、好きな彼との日々のセックスの中で、彼が言葉では伝えられない、彼の内に秘めたやさしさのパッションを、クリトリス海綿体に伝えてもらうのがベストです。
伝え方は単純です。二つしかありません。
・体熱
・微振動
これが、クリトリス海綿体をフル勃起させる重大要素であり、彼があなたの身体に送り届けるべき、彼の気持ちです。
体熱と微振動は、あなたが男性から受け止めた時、男性からの愛情表現として伝わります。
彼のぬくもりから愛が伝わってくる…!
という、女性好みの〈良い情報〉として、陰部神経から脳に伝えてもらえるアクションです。
この理由を解説しますと、神経には、冷やすと鈍感になり、温めると敏感になるという性質があります。
ズキズキと響く痛みやかゆみを抑えるために、氷などで冷やしたりしますよね。
反対に、お風呂に入ったりお酒を飲んで体温が上がると、痛みやかゆみをよけいに強く感じませんか?
これは神経の〈情報〉伝達スピードが、冷たいと遅くなり、温かいと早まるためです。
温めてもらうと敏感になる
女陰を体熱で温めると、快感が脳に伝わるスピードが速くなります。
理性がうすれ、気分がフワーッとしてきて、ますます気持ち良さに拍車がかかり、感度がビンビンに高まった状態になります。
敏感になるとは、ほんのちょっとの刺激が大きな刺激として響くということ。
ここで、男性の強い力で激しい愛撫をされるのは厳禁です。
脳が「身のキケン」と指令を変えて、快感よりは痛みとなり、せっかくの〈良い情報〉が〈悪い情報〉になってしまいますから。
ですが、大半の男性は、知らず知らずにこうした強い刺激を与えてしまいます。
男性は力があるので、受け取る女性にとっては、強すぎる刺激になることが多いのです。
セックスで快楽を味わえない女性は、こうした肉体反応をなすすべもなく受け入れていたのですが、この事実を知ったあなたは、もう無意味な我慢や遠慮をしないでくださいね。
あるいは、演技とも知らずに自己満足している自称テクニシャンに、ダメ出しをする勇気、決別する勇気を持ちましょう。
ほうっておいて、彼が気づくことはありませんし、あなたに女としての幸せが訪れることもありません。
彼の体熱で肌を温めてもらうだけで、あなたの脳内麻薬様物質が続々と分泌されていきます。
なぜ体熱でなけれないけないのか、それにも理由があります。
3.快楽があふれる泉とは でも説明したように、陰部神経がスピード稼働すると、下腹部の骨盤低筋も躍動し、子宮や膣、クリトリスに血液が送られていきます。
そして、血液の他にもう一つ、子宮や膣、クリトリスにとって大切なのは、〈氣〉です。
〈氣〉は西洋医学の概念にはない人体要素ですが、中医学(中国伝統医学のこと。東洋医学の核に当たる学問)では3000年も前から重視されて、研究も進められてきました。
その結果、現代でも、西洋医学では原因解明できないストレス性疾患やうつ、アトピー、EDなどに、鍼灸や気功、漢方といった中医学療法が、高い治癒効果を上げています。
〈氣〉には人体を網目状に走る〈経絡〉という線路があり、その線路の上に無数にある〈氣〉の出入り口が、おなじみのツボです。
神経分野では、3000年も前に中国で発見された〈経絡〉の驚異的な正確さを、近代医学が立証した形にもなりました。
そういう意味でも、〈氣〉は無視できない人体ファクターで、これからどんどん存在がクローズアップされようとしています。
ホルモンとか、脳から分泌される物質の働きだとか、細胞学の進歩によっても、今後は〈氣〉という概念以外で説明がつく日もくるかもしれません。
ですが、現状は、完成度の高さでは東洋医学の〈氣〉がリードしていますので、私もこの概念を使っていきます。
〈氣〉は生命エネルギー、あるいは人体を流れる微電流と言い換えてもいいのですが、ここではあっさり、〈氣〉=〈気持ち〉とします。
人間である以上、あなたにも気持ちがあり、〈氣〉があります。
特にセックスの時、あなたと彼の気持ちは「相手と調和したい」という優しい〈氣〉になっているでしょうか?
セックスの時、男性も女性も、つい攻撃的、あるいは傷つきたくないといった自己防衛の〈氣〉を送ってしまいがちです。
身も心もとろけたい願望があっても、その〈氣〉が闘争的だと、相手にもそのままに伝わってしまいます。
おたがいの快感をふくれ上がらせることもできません。
はりきって気持ち良くさせようとしすぎると、それを攻撃的な気持ちだとか、一方的な自己満足、軽蔑されている侮辱感、などと伝わってしまうことも少なくないのです。
それが積み重なると、女性は相手男性のことが、理性ではなく生理的にイヤになりますし、男性はあなたに興味をなくしたり、夫婦の場合はセックスレスを引き起こしてしまいます。
〈氣〉の伝わらないセックスは裏目に…!
女性の〈氣〉の一大居留地は、子宮です。
つまり、子宮は女性の精神の管制塔でもあります。
例えば、ラブラブの恋愛状態の時なら、仮に男性を悦ばせるためのセックスを続けていても、あなたも意識の上では「好きだからこれでいい」と考えるでしょう。
ですが、それはあくまで意識が決めたことであって、子宮が認めているとは限りません。
子宮は、審査員であるクリトリス海綿体からの報告だけで、相手男性を判断します。
〈悪い報告〉ばかりだと、もう性行為をさせないように、女性の感情を逆転させ始めるのです。
これが「一緒にいるのにさみしい」という孤独感の元になったり、彼への不信感になったり、生理的にイヤになるカラクリです。
ちなみに、若い女性ほど生殖能力が旺盛ですから、子宮の感情コントロール力も強いです。
刺激的な激しいセックスで、ひとときの快楽を与えてくれる男性と(これも気のせいなのですが)、激しさはないけれどいつも優しさと温かみをくれる男性、どちらがオーガズムを味わわせてくれる才能を持っているかといったら、まちがいなく後者の男性です。
子宮は生殖目的で女性を管理していますから、長くあなたを守り、愛情を注いでくれる男性を受け入れるように機能します。
その受け入れサインが、オーガズムです。
アダルトグッズで機械的にオーガズムを得たり、膣内に異物で刺激を加えすぎると、元々あなたの身体に備わっていた男性選びの能力が低下していきます。
一緒にいて、心地いい、居心地がいい、安心する。
そんなやすらいだ〈氣〉の延長線上に、二人のあいだにたしかな絆を生むオキシトシンオーガズムが訪れます。
子宮は「温かい」状態を最も好みます。
子宮に温かい〈氣〉が満ちると、不安定な女性の心も落ち着きます。
骨盤底筋群を〈氣〉が走れば、神経、血管の働きも活発になり、膣や子宮、ポルチオも目覚めて、たっぷりと愛液を出しながら、微振動でも快感が全身を貫きます。
生きていると、傷ついたり、つらい想いに絶望したりすることは避けられません。
だからといって、その穴埋めを異性とのセックスに求めてしまうと、もっと傷や絶望を引き寄せます。
せめてセックスでは、優しく温めあおうと思う気持ちが大切です。
「出会えた奇跡」「抱きあえる心地よさ」「生命のぬくもり」
このことだけ忘れずにいてくれれば、神秘の快楽も体験できます。
世の中の人すべてを愛することは不可能ですが、生まれたままの姿の人があなたの目の前にいるひとときだけでも、愛の交換を信じる勇気を持ちましょう。
愛の〈氣〉が返ってこなかったら、その人から離れる勇気を持ちましょう。
あなただけを誰よりも愛し、あなたに感謝して、母性的で明るく元気で良く笑うあなたの最適なパートナーを、あなたの肉体が見つけ出してくれます。
