ここまでの内容に、体験と照らし合わせて「そうだったのか」と腑に落ちる女性も多いのではないでしょうか。
〈攻め〉で語られがちな性も〈守り〉に視点を反転させてみると、いろいろな謎が解けていきます。
それらの多くは目に見えないため、仮説にすぎない部分もありますが、これまでのセックス観や性情報も、想像という点では同じですから、性で傷つかないための〈守り〉の発想は、きっとあなたを幸せへと導いてくれると思います。
一例として、Gスポットの説明をしておきましょう。
Gスポットとは、女性の膣壁にある特別な性感帯ポイントの呼び名です。
男性の関心を集め、よく話題に上がるので、あなたも聞いたことはあるかもしれませんね。
名前が有名なわりに、その存在の真偽や定義はいまだに確立されていませんが、膣粘膜のある一か所に、快感神経が密集しているポイントが存在する、というのがGスポットのとらえ方です。
でも、なんだか変だな、とわたしは思います。
“膣内にこつ然と存在する快楽ポイントだ”…という考え方が、〈攻め〉視点のこじつけのような気がしますし、その存在意義と理由は果たしてなんでしょうか。
事実は、ほぼこういうことです。
クリトリス海綿体がしっかりと充血した、フェレクション(勃起)状態になったとします。
フェレクション時のクリトリス海綿体(濃ピンク部分)
女性のせまい骨盤の中に、ふくらんだ男性器が横倒しに一本入ったようなものですから、当然、内性器のいろいろな組織が圧迫されます。
尿道も押しつぶされて、膣壁への刺激が、すぐにクリトリス海綿体に伝わります。
ようするにGスポットとは、クリトリス海綿体が勃起したときに、尿道を押しつぶして発生する、膣壁ごしの、クリトリスの気持ちよさなのです。
女性とのセックス体験が豊富な男性たちは、あちこちでこんなふうに発言していますし、時おりニュースとしても流れてきます。
「Gスポットは、膣に中指を入れて、第二関節を折り曲げたあたりにある」
「いや、全員がそうではない。Gスポットは、ある女性とない女性がいる」
「ローマ大学の研究機関が、Gスポットは存在しないと発表した」
などなど。
日本でも、オーガズムを得られなくて悩む女性に、膣内のGスポットにヒアルロン注射をしてふくらませる手術を勧める産婦人科医さんもいらっしゃいます。
さて、これってどうなのでしょうか。
クリトリス海綿体が勃起していないから、膣内への刺激が気持ちよくないし、Gスポットらしき性感帯も見つからない。
そう考えたほうが、よほどシンプルで、理にかなっているのではないでしょうか。
これは、わたしが仕事で取材した、多くの風俗嬢の意見ですが、膣内に指を入れられ、激しく出し入れされることは、いちばんされやすく、いちばんイヤな行為だと、口を揃えていました。
どうしても好きになれない言葉ですが、俗にいう「手マン」「指マン」ですね。
彼女たちは、それでも気持ちのいい演技をしなければ収入にならないので、必死にがまんをしているそうです。
痛々しいですね。
また、AVの場合は、まわりのスタッフがお姫様のように女優さんを気づかったり、男優さんが、映像に映っていないところで時間をかけています。
女優さん自身の性能力も含めて、フェレクションを起こすための準備・段階・手間ひまは、たっぷりかかっているのです。
男子は、見よう見まねのムチャは厳禁!
女子も、生殖器は心の状態を左右するってことを忘れちゃダメだよー。
大切なトコなんだ、ホントーに。
まずはやすらぎのオキシト感で、
ふたりの関係の土台作りからだよー!
