男性は陽。
女性を守り、喜ばせたい本能の持ち主。
女性は陰。
守られ、喜ばせてもらうことで男性に生命力を与える存在です。
オーガズムを得るためには、まず先に、オキシト感を感じあう時間/段階〈フェーズ〉を作って、ヒーローとお姫様に戻りましょう。
オキシト感フェーズ①〈ゆりかご〉
女性は男性の頼もしいからだを実感し、男性は女性のやわらかなからだを愛おしく感じる。
興奮にまかせて性急にスタートしないでいったん落ち着きあうことで、愛と快楽をもたらすオキシト感が始まります。
服を脱いだら、男性の腿に女性がまたがり、からだをぴったりと重ね合わせます。
頬と頬もふれあわせ、体温をまんべんなく交わしあいながら、「ハートセンサー」の優れた働きに身をまかせます。
最初はだまっていたほうがいいでしょう。
理性を司る言語脳の働きをクローズするためです。
だんだんと女性の心とからだから、力が抜けていくでしょう。
全身がだらっと脱力していき、さらに彼に身をあずけると、受け止める男性も心が落ち着くと同時に気負いが抜けて、リラックスしていきます。
この広い世界でたったふたりきりになったような、おたがいのために生まれてきたような、純粋で小さな愛の気配を感じあいます。
まだそれぞれに性的劣等感を抱いているかもしれませんし、逆に張り切りすぎているかもしれません。
女性と抱きあうなんて女々しいことだと、羞恥心をふくれあがらせる男性もいます。
そうしたよけいな理性がリセットされて、本来のピュアな気持ちに引き戻されますから、一見なんの変哲もないこの過程には、とても大きな意義があります。
好きな音楽を聴くときに、あれこれとものを考えたりしませんよね?
理性を閉じて、純粋にその世界にひたり、心がゆらゆらと揺れる心地よさに漂います。
ふれあいも同じです。
純粋に陰世界にひたりましょう。
ただ肌で感じることから心が動きだし、自然に心の奥へと流されていきます。
そこにいるのは、男性なら少年の自分。
女性なら、少女の自分です。
女性は、今までだれにも言えなかったことや、彼に伝えたいのに伝えられなかったことを素直に口に出したくなるかもしれませんが、とても良いことです。
このときだけでも甘えましょう。
彼を信じて頼ってください。
男性は、伝えられた内容に答えを提示する必要はありません。
かわいそう(可愛そう)に…愛しいな。
そう感じれば感じるほど、オキシトシンを出すフェーズ〈ゆりかご〉は、とてもうまくいっています。
頭やおでこ、頬を撫でてあげたり、抱きあったからだをゆりかごのように揺らしてあげると、彼女の、別人のようにピュアな笑顔を見られるかもしれません。
ふたりが何歳であっても関係ありません。
陰世界は、陽世界のしがらみから解き放たれて、心身を浄化するためにあります。
正義感にあふれるすてきな少年と、救いを待ちこがれていた少女に戻れた気がするまで、最低でも10分はそうしてみてください。
性の悦びは積み重ねです。
とくに、女性の性の快楽は、オキシト感がもたらす安心感をていねいに積みあげていくことで、相手男性への信頼という、しっかりとした土台ができあがります。
ですから、短期間で高い結果を出そうとしない口約束を交わしておくと、おたがいがより自然体になれるかもしれません。
セックスという陰の旅は、びゅんとスピーディーに目的地にたどり着こうとする、新幹線や飛行機の旅ではありません。
ゆったり優雅に進む船旅か、心地いいサイクリングのようなものです。
変わっていく景色ひとつひとつを眺め、ときどきどこかで止まってみたり、意外な発見を驚いたり楽しんだりしながら、ふたりだけの時空間を大切に味わいます。
前戯のスタートからまっすぐにフィニッシュへ向かうことは、決まりではなく、アダルト情報寄りのセックス観、先入観です。
男性は、日常的な射精習慣でそうした「直行便」に慣れているからこそ、女性とのセックスでは、そうではない旅のしかたを選べると良いですね。
キス。ペッティング。クンニリングス。
男性が女性に行う愛撫にも、いくつかの方法やテクニックがありますが、何をしていても忘れずに心がけたいのは、水である女性のからだをあたためることです。
前戯は、そのために行っています。
あれしてこれして……と、細部に一生けんめいになりすぎて、女性のからだ全体がまた冷えてしまったら、もったいないですね。
体力差もあるため、男性が思う以上にゆっくりしたペースであたためないと、女性の心はあせり、からだは置いてきぼりになりがちです。
ときどき、次のフェーズ②のように密着し、時間をかけて背中を抱きくるむと、女性のあせりはホッと消え、男性も空回りを避けられます。
ほろ酔いのようなオキシト感を味わえると同時に、荒く浅くなっていた呼吸が深くきれいに整います。
女性のお尻や股間、脚などが、ふたたびもぞもぞと動きだすまで、このフェーズで様子を見てあげましょう。
オキシト感フェーズ②〈ほろ酔い〉
もっと。
まだ。
このままこうしていたい―――この人は、とても大切な人。
〈ほろ酔い〉は、おたがいをこんな気持ちにさせます。
また、このフェーズは、セックスが終わった後のふれあいにも有効です。
男性は、射精後にプロラクチンというホルモンが分泌されて、つきものが落ちたように冷静になったり、虚しさを感じることがあります。
サッと起き上がってベッドから降りる、スマホをいじる、女性の甘えを拒否するなど……。
からだのしくみではありますが、これにすっかり傷ついてしまう女性も少なくありません。
たとえ射精が終わっても、せめて5~10分くらいは寄り添っていたいもの。
それで女性は、今までちゃんと愛されていたのだと安心し、その後不安にかられることもなくなります。
いじけた行動に走って男性を困らせ、せっかくの魅力を損なうことも防げるでしょう。
朝まで一緒にいられるのなら、眠り始めの姿勢にしても良いでしょう。
腕まくらよりも、おたがいに深い呼吸をすることができますし、もちろん、オキシトシン分泌も進みます。
翌朝、鏡を見た女性は、肌が見ちがえるように透明にきれいになっていて、驚くかもしれませんよ。
ベッドに入っていないとき、たとえば夕食後のくつろぎタイムにもふれあう習慣があると、知らず知らずに性感は育っていきます。
夫婦や同棲中なら、セックスをしそうにない感じの夜でもいいのです。
テレビ、DVDなどを観ながら、次のフェーズ③でふれあうのも、とても良いことです。
オキシト感フェーズ③〈ほぐれ〉
女性のからだをじっくりとあたため、その日一日の心のしこりもほぐれて、くつろいだ会話もしやすく、ふたりの親密さも高まります。
小さな子どものいる夫婦なら、お母さんの両脚のあいだに子どもを座らせてあげると良いでしょう。
子どもがいると、夫婦の時間を作りにくいものです。
けれども、ついつい育児をがんばりすぎてしまうママには、夫の存在という支えを肌で実感することがとても重要です。
特別に夫婦の時間を用意しなくても、ただこれだけのことでも、張りつめている気持ちがたちまちほぐれて、楽になります。
幸せのサンドイッチ状態になって、身も心もあたたまり、明日への元気を養うことができるでしょう。
その結果、おたがいにセックス意欲がわいたら、自然にベッドへ行く流れになるでしょう。
よりグレードの高い快楽を実感でき、愛あるセックスの悦びに身も心も満たされるでしょう。
いずれどのフェーズでも、オキシト感の効果を高めるには、肌をふれあわせるだけで、とくになにもしないという点がポイントです。
肌の持つすこぶる能力、ぬくもりのパワー、ハートセンサーの優れた働きにまかせて大丈夫です。
急がず、ゆっくりと、長く実感するようにしましょう。
このあたり、ボクがはりきってオキシトシンを分泌してるよー。
すると、女子の内性器がぐんぐん成長するんだ。
そして男子は、まったく新しい快楽に目覚めてく…てな流れ。
それってどういうことか、目に見えないから、
体験してくっきゃないんだよねー。
感動のハッピーエンドが待っているよ~レッツトラーイ♪
