女性の性欲は、他人とつながりたいという集団欲の一端です。
そこには肉体の深い快楽と心の救済がありますし、逆にどちらか一方だけを満たそうとしても片手落ち、性欲は完全に満たされることなく、孤独感はいつまでも心身でくすぶりつづけてしまいます。
「女の歓び」という言葉は、もちろん性的な意味合いを込めて、古くから使われています。
愛する男性がオーガスムに導いてくれた時、女性は、ほかのなににも代えがたい幸福感を得ます。
これはどんな世の中になっても、決して変わらない真実です。
あなたがセックスに悩んでいるとしたら、理由はおそらくここではないでしょうか。
あなただけじゃない、みんな同じです。
女性はだれでも、「女の歓び」を知りたいのに手が届かない、それに悩んでいるのです。
私たちの性欲は、生殖の一面だけでは語り切れない精神性の高いものでもあり、年齢が高くなるほど知的なエロスへと進化していきます。
マスターベーションで得るオーガスムでは、イメージの中で濃厚なエロスの世界を作り上げられれば、ひとりでも深い満足に到達できます。
が、これはこれで、肉体的なバイオリズムとのマッチングも必要ですし、集団欲との深い絡みもあるため、それのみでは、やはり満たされません。
むしろ、よけいに人恋しさを増幅させることも少なくないわけです。
マスターベーション後に押し寄せるむなしさが、それですね。
かといって、セックスレスを含んだ夫婦間の性の不一致、恋人との気持ちのすれ違い、セックスフレンドの位置づけ方と、男女関係があればあったで、いつも問題は山積みです。
現実問題として、男性との愛情の調和には、出逢いを含めてさまざまな障害をクリアしなければなりません。
ですが、だからこそ、女性は最高の「女の歓び」を目指したいという願望を捨てきれない、とも言えます。
集団欲は安心感への本能ですから、到達しない限り、どこか不安を抱き続けたり、自分をごまかしながら生きることになります。
女性と夢のようなセックスをしたいと思っているのは、男性も同じです。
そして、知的な男性ほど、女性に「女の歓び」を与えたいと切望しています。
男女ともに望んでいながら、夢のようなセックスになかなかめぐり合えないのは、異性間の誤解にも原因があるようです。
