性欲は、食欲、睡眠欲にならぶ、人間の三大欲のひとつとされています。
ただ、性欲と聞いて、拒否感や抵抗を感じる女性が多いのも事実です。
あなたもそのひとりかもしれませんね。
これは、これまでの性情報が、主に男性の性体験や感性で語られてきたため。
性欲という言葉も、男性の射精欲に類似した意味合いで使われることが主流でした。
男性感覚だからこそ、多くの女性たちが、
(ちょっと違う…)
と違和感を感じ、否定的に受け止めがちなのです。
そう、思い出してくださいね。
男女は表と裏の関係であることを。
性に目覚める思春期に入ると、男の子は、早々と性的快楽の味を覚えます。
それはからだのメカニズムにより、いやがおうなしに、射精を体験するからです。
射精時の快楽は、主にドーパミンという神経伝達物質(脳内麻薬様物質)がもたらします。
そのため、〈性=快楽〉という強いインパクトが焼きついて、性欲とは快楽への欲求だと認識します。
けれど、女の子の場合は、性に目覚めても、快楽と結びつけるからだのメカニズムそのものがありません。
たまにクリトリスの充血を感じて、気になってふれてみたり、そのままマスターベーションを覚えることは、あるかもしれません。
でも、男の子の矢つぎ早な射精サイクルの足元にも及ばない頻度ですし、意識しないかぎり、習慣化もしにくいのです。
排卵がもたらす生理は、むしろ、大人としての自立が始まる、孤独感の芽生えに近いもの。
そのため、恋人探しや、モテる努力のほうにやっきになります。
女の子にとっては〈性=恋〉であり、〈愛をくれるパートナー探し〉です。
そこから続く幸せな未来へ欲求のほうが、快楽欲よりもはるかに強いのです。
ただ、男女のこの違いは、陰世界のとびらが異なるだけにすぎません。
性の世界を開けるドアが、こちらとあちらにセットされているだけで、中へ入れば同じです。
好きな異性と愛し愛された実感を味わえた時に、おたがいの快楽は驚くほど大きくふくらみ、セックスの本当の悦びと感動を共有することができます。
男女ともに、心の通う異性とのセックスほど快楽が強まるのは、元々、その結果を生むよう人の心とからだに備わっている、根本的な性の法則です。
性欲とは、本来は、愛情への欲です。
もっと愛されたい。
もっと愛したい。
ただそれだけの、とてもシンプルな、人間の根源的な本能です。
わたしたちは、どこまでいっても愛を届けあうためにセックスをする生きもの。
男性も女性も、本当は同じくらい真剣に愛を求めています。
人は、ボクの出す愛のホルモンがほしいから恋をして、エッチするんだよ。
男子の射精の快楽成分とは別もの。
一緒くたにするとこじれるし、あとでもめるよ~…。
