性と愛のサイト/水野スミレ

2.母性という「痛みがまんソフト」

仕事をもつ。家庭をもつ。子どもをもつ。

どんな大人になっても、いくつになっても、男性であれ女性であれ、心の奥には幼いままの自分がいます。

日々の暮らしではめったに思い出されませんが、現実の裏側である陰世界に、いつでもかならずいるのが、なつかしいその子です。

心の奥底で、ひとりぼっちで泣いている少女。

7歳頃のあなたです。

目に見えてからだが変化する、思春期の性の目覚めよりも数年早く、目に見えない女性性が芽生える年齢です。

かわいそうに、なぜ少女のあなたは泣いているのでしょうか。

「さみしい」からです。

「もっと愛されたい」から。

だれに?

「お母さん」に、です。

自分の性と向きあえない、あるいはセックスにコンプレックスを抱く女性は、大半がこの時期の母娘関係のひずみから、その種を生じさせています。

お母さんは、どんな存在だったでしょうか。

やさしくて、たのしくて、あったかくて、おもしろくて?

「大好き」を通り越して、思い浮かべるだけでドキドキしたかもしれません。

いつも忙しそうで、近寄りにくかったかもしれません。

目の前で見た泣き顔にショックを受けたり、イライラと怒鳴られてばかりいたり……。

いずれ、どんなお母さんであっても、少女のあなたは、心から深く愛していました。

それは、それまでのような、「もっとお母さんに愛されたい」という無邪気な欲求を抑えつけるもの。

そう、母性の芽生えです。

もっとも身近な人である、お母さんに対して、ソフトが試運転を始めたのです。

 

飛びついて甘えたい。

もっと話を聞いてほしい。

もっと抱っこされたい。そばにいてほしい。

 

でも、がまんしました。

 

困らせたくない。

お母さんがかわいそう。

助けてあげたい。

少しでも役に立って、喜ばせたい。

 

幼いなりに、一生懸命にお母さんを「守っていた」のです。

 

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