男女はおたがいに、自分にはない部分に惹きつけられます。
電極のプラスとマイナスに見られる、陰陽の法則です。
男性は陽で、女性は陰です。
それぞれに正反対の性質を持ち、そのために惹かれあい、恋に落ちて、世界でただひとつの愛を育もうとします。
まるで獲物を追いつづけているような、男性の闘争的でまっすぐな気性にくらべて、わたしたち女性は柔軟で対応性に富んだ性質をそなえています。
温かみのある、愛情のこもったあなたのふるまいや笑顔が、知らず知らずに恋人や夫、同僚たちの心の落ちこみを救い、前向きな気力を奮い立たせているのです。
ところが、そんなあなたをゆううつな気分にさせるものがありますよね。
それは、漠然とおそってくる、言いしれぬ孤独感ではないでしょうか?
この孤独感は、とても根の深いものです。
家族に囲まれていようと、恋人と過ごしていようと仕事に打ちこんでいようと、きれいに消えることはありません。
いつも明るく元気にふるまっているあなたの、まるで影のように、いつまでも心にくっついてまわります。
職場の飲み会のあと。
家族、友人と楽しく食事をしたあと。
仕事や趣味に夢中になったあと。
あんなに充実したはずなのに、帰り道や翌朝になると心がしぼんで、さみしくなってしまう。
はあ…。このゆううつさ、どこかへ消えてくれないかな…。
残念ながら、いっとき忘れることができても、女性特有の孤独感、さみしさを自分ひとりで消すことはできません。
男性たちが、女性の笑顔や温かみで気力を奮い立たせているように、女性の心の充足と安定にも、陽である男性の力が重要なのですね。
理由のない孤独感から抜け出すためには、女性には、(愛で満たしてくれる救いの手がいつも自分に差しのべられている)と安心する必要があるのです。
けれども、多くの男性は、女性がこんなふうに愛情を注がれ支えられたがっていることに、ほとんど気づきません。
ほんのちょっとしたことで絶望感や劣等感にさいなまれ、苦しんでいても、
「彼女は太陽のように明るく元気だ。またパワーをもらおう」
という思いこみを、なかなか変えてくれないのですね。
こうして女性は、包みこまれる安心感をいつも探し求めることになってしまうのです。
自分はけっして孤独な存在ではないのだと確信する必要があるのですが、それを叶えてくれるのが、信頼できる男性とのスキンシップです。
寄り添い、肌のぬくもりで抱きくるんで、不安が消え去るまで安心させてほしいという欲求が、女性の性の根底にあります。
この救いへの欲求が満たされないセックスをしても、プレジャー・ボックスにたどり着くことはできません。
愛としあわせを補充できずに、セックスをしてもさみしいまま。
やがては、愛を育む気持ちも薄れて、なれあいの関係や仮面夫婦といった結果を生んでしまうのです。
性の役割は、男女がおたがいに生きる気力と勇気を与えあうことにあります。
快楽は、その結果として発生する、そう、ちょうどプラスとマイナスが起こす電気のようなもの。
この快楽交換のパートナーを見つけられた時、あなたの心とからだには、まるで自分じゃないような、おどろくほどダイナミックな生命エネルギーが宿ります。
女性性が大輪の花のように開き、漠然とおそってくるあの孤独感とも、ようやくさよならができます。
自分をごまかす必要もなくなり、自信にあふれて、人を惹きつける優雅で神秘的な魅力も備わっていくのです。
